口唇のヘルペスを徹底解解説!予防と治療の完全マニュアル

口唇ヘルペス
クレプラ編集部この記事の監修者

クレプラ編集部先生

内科, 外科, 歯科, 皮膚科

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唇がピリピリチクチクする、口内に水ぶくれがある、そんな症状に心当たりはありませんか?日本人の10人に1人が口唇ヘルペスにかかったことがあると推計されており、症状には現れていないがいつでも唇ヘルペスに感染する可能性がある人は高齢になるにつれ増えていきます。疲れやストレスにより免疫が低下すると再発することも多い病気です。今回はそんなヘルペスの症状を知り、上手く付き合う方法についてみていきましょう。

1)口唇ヘルペスの症状

下記の症状にあてはまる症状がある人は口唇ヘルペスの可能性があります。
・風邪をひいたり、疲れ気味のとき、口唇のあたりに小さな水ぶくれができる
・海水浴やスキーなど紫外線をたくさん浴びた後に、口唇のあたりに小さな水ぶくれができる
・くちびるや鼻の周りがピリピリ、チクチク、ムズムズした後にそこに小さな水ぶくれができる
・できた水ぶくれは、かゆみやほてりをともなっている

1−1.初期症状は唇がピリピリします

水ぶくれが現れるのに先立ち口唇ヘルペスのきざしがみられます。皮膚にピリピリ、チクチク、ムズムズなどの違和感、かゆみ、ほてりなどを感じます。この症状は再発を繰り返す人は自分でわかるようです。

1−2.ヘルペスに気づく時は唇が赤く腫れています

皮膚の違和感、かゆみ、ほてりなどの自覚症状が出てから半日以内に赤くはれてきます。この時期は患部でのウイルスの増殖が活発です。このような早い時期に治療を始めることが大切です。

1−3.2、3日経つと水ぶくれ(水疱)ができます

赤くはれた上に水ぶくれができます。この中にはウイルスがたくさん存在します。水ぶくれは初感染では大きく、再発を繰り返すと小さくなっていきます。水ぶくれが破れてしめっぽくなった患部に触ると粘膜や傷のある皮膚の場合、感染します。口紅などが合わなくてできる水ぶくれはくちびる全体にできるのに対し、口唇ヘルペスでは、初感染をのぞき、1ヵ所に集まってできるのが普通です。

1−4.完治前はかさぶたができます

約2週間後、ヘルペスが経過し、治るまでには腫れや水疱がかさぶたになります。完治まであと一歩なので安静にして経過をみましょう。

1−5.かかると怖いヘルペス脳炎

ヘルペス脳炎は、口唇ヘルペスを起こすウイルスと同じ、単純ヘルペスウイルスが原因となります。
初感染では、鼻の粘膜から嗅神経を通って脳へ移行することが多く、再発では三叉神経(さんさしんけい)というこめかみを通る神経を伝わって脳に侵入すると考えられています。症状は新生児、年長児、成人と発症年齢によって異なりますが、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、失語症、異常行動、人格変化などが短時間のうちにみられるようになります。年間300~400人が発症し、死亡率は10~30%とされます。

2)口唇ヘルペスの治療方法は薬での治療になります

口唇ヘルペスの治療には、主に「抗ヘルペスウイルス薬(=抗ヘルペスウイルス剤)」と呼ばれる薬が使われます。抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスが増えるのを抑える働きがあり、錠剤、軟膏またはクリームを、病気のある場所や症状の程度等により使い分けています。

2−2市販薬は再発治療を目的とした塗り薬のみ(処方箋が必要です)

数年前までは、口唇ヘルペスを発症した場合、病院で治療薬を処方してもらう以外に効果的な対処法はありませんでした。しかし、医療機関でしか処方が認められていなかった抗ヘルペス薬のうち、軟膏やクリームなどの外用薬に限り、ドラッグストアなどで購入できるようになりました。現在も、抗ウイルス薬の飲み薬は、原則として病院でしか手に入れることができません。
※ドラッグストアなどで購入できる外用薬は、過去に病院で口唇ヘルペスと診断されたことがあり、同じ症状である場合に限り、使用が許されている再発治療薬です。自己判断では口唇ヘルペスなのか、他の疾患なのか判断するのが難しい上、誤って使用すると症状が悪化してしまう危険性があります。そのため市販薬は第一類医薬品となり、薬剤師が管理している薬局でしか購入することはできません。

2−3皮膚科で出される口唇ヘルペスの治療薬

唇ヘルペスになった際にかかる診療科目は皮膚科です。それでは、皮膚科で処方される薬についてみていきましょう。

(1)外用薬

軟膏またはクリームです。皮膚に現れている症状がそれ以上広がらないようにするために使用します。口唇ヘルペスがごく軽症で、再発が頻繁ではない場合に処方されます。

(2)内服薬

薬は、錠剤または顆粒で処方されます。皮膚の症状だけでなく、神経細胞にいるウイルスの増殖を抑える効果があるといわれています。ヘルペスの予兆が出た段階ですぐに服用することで回復が早まり、皮膚から神経細胞に戻るウイルスの量を減らすことができるため、再発しにくくする効果もあります。

(3)点滴(注射薬)

ヘルペスが初感染で重症化している人や、免疫不全の基礎疾患がある人、アトピー性皮膚炎の人でカポジ水痘様発疹症を合併している場合などに使用することがあります。

3)抗ヘルペスウイルス薬の種類と使用方法

処方された一般的な抗ヘルペスウイルス薬の種類とそれぞれの使用方法についてまとめてみました。

種類 使用法
バラシクロビル 錠剤、顆粒 1回1錠、または顆粒1グラムを1日2回、5日間服用
アシクロビル 錠剤、顆粒 1回1錠、または顆粒0.5グラムを1日5回、5日間服用。年齢、症状によって適宜増減する。
軟膏 適量を1日数回患部に塗布し、7日間使用
ビタラビン 軟膏、クリーム 適量を1日、1~4回患部に塗布または貼付し、7日間使用

4)口唇エルペスになってときにやってはいけない3つのこと!

口唇ヘルペスになってしまったときに、ついつい触ってしまいがちになりますよね。ヘルペスは感染しやすく、気をつけてほしいことがいくつかあります。

4−1患部に直接ふれることは危険

ヘルペスができてしまったときに、患部に直接触れないでください。患部が炎症し悪化したり、重症化したりしますので、歯磨きや食事の際にも

4−2唇に触れた手でものをさわるとウイルスをばらまく

4−3キスをすると相手にウイルスが感染します

5)ヘルペスの原因と感染

5−1唇のヘルペスの原因は単純ヘルペスウイルス

口唇ヘルペスの病原体は「単純ヘルペスウイルス」です。ウイルスというのは、1ミリの1万分の1くらいの大きさ(150nm)で、核酸(DNAまたはRNA)とタンパク質だけでできています。この最も小さな生き物たちは、自分では子孫をつくることさえできません。そこで、他の生き物の細胞の中に入り込んで、その細胞の材料を拝借しながら自分の子孫(コピー)をつくり出します。これが感染です。誕生した多くのコピーウイルスたちは、やがて細胞を出て、次々と新しい細胞に感染していくのです。

5−2ウイルスに感染していても潜伏期間がある

はじめて単純ヘルペスウイルスに感染しても、小児の場合、明らかな症状が出るケースは多くありませんが、新生児、幼児、思春期以降では症状が出ます。ヘルペスウイルスは、一度感染すると人間の神経細胞の中に隠れ潜んでしまうのです。これがヘルペスウイルスの特徴である「潜伏感染」です。ウイルスが神経細胞の中でじっと潜伏している間は、ヘルペスの症状は出てきません。ところが、体の抵抗力が衰えているときなどに、急に出てきて暴れ出すのです。

6)口唇ヘルペスが再発しないために免疫力をつけましょう

唇ヘルペスは再発しやすい病気の一つです。日頃から免疫力が低下しないように過ごしましょう。

6−1十分に休息し、疲労をためない。

上手な気分転換でストレスを回避する。

6−2栄養バランスのよい食事を心がける。

偏った食事をしていると体内の酸性が強くなってしまい、血液中に老廃物が多くたまり免疫力が低下します。

6−3帽子やマスクをこまめに着用して、直射日光や冷たい風は避ける

強い紫外線により皮膚の免疫力が低下すると発症してしまいます。

6−4適度な運動の習慣をつける。

ジョギングなどの有酸素運動により、免疫細胞が活発に働きます。

6−5深酒や夜更かしを避ける。

睡眠不足は万病の元と言われている通り、睡眠不足により免疫力が低下した結果様々な病気にかかってしまいます。口唇ヘルペスも同様の原理で発症する可能性が高くなります。

7)日常から心がけたいヘルペスの感染予防

一度でも口唇ヘルペスになった人は、無症状の場合でもウイルスがいることを忘れてはいけません。神経節に潜伏しているとはいえ、ウイルスが唾液や精液などに排泄されていることもあります。単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、接触感染以外にもタオルやグラスなどについて感染することもあります。症状が現れているときは特に注意してください。

7−1患部に触れない

患部に直接触れないでください。触れた場合は、すぐに十分な手洗いをしてください。

7−2皮膚に病気がある場合は注意が必要

アトピー性皮膚炎がある場合、皮膚のバリア機能が低下して感染しやすい状態になっているため、十分に注意してください。

7−3幼児に触れる時は注意しましょう

新生児は、免疫機能が十分に発達していません。症状が現れている間は、キスなどの接触は絶対に避けてください。

7−4直接くちびるに触れるものはこまめに消毒や日光殺菌しましょう

タオルは、他の衣類と一緒に洗ってもかまいませんが、日光に十分に当ててよく乾かし、共用しないでください。また、グラスなどの食器にも唾液からウイルスが移り、かなり長い間生きています。洗剤でよく洗ってください。

8)口唇ヘルペスに似て異なるもの

口唇、口角にできてくる疾患には他には細菌性口角炎や真菌性口角炎、接触皮膚炎、口囲皮膚炎などがあります。

8−1細菌性口角炎

小児に多く見られる細菌性口角炎は、唇の端に赤い腫れができ、痛みも伴います。
抗生物質軟膏が効果あります。

8−2真菌性口角炎

逆に真菌性口角炎は、高齢者に多く見られます。
抗真菌薬が効きます。

8−3接触皮膚炎

接触皮膚炎はアレルギー体質の人がかかりやすいです。
塗り薬や化粧品などの成分に反応して発症します。
症状は唇が赤く腫れ、痒みを伴います。

8−4口囲皮膚炎

口囲皮膚炎は、16歳~40歳までの女性がかかりやすいです。
口の周りが赤くなり、湿疹、膿疱などが発生します。
ステロイド剤を長い期間使用し続けると起こりやすい疾患です。
基本的な対策はステロイド剤の使用をやめることとなります。

9)おわりに

いかがでしたか?唇ヘルペスは意外にも感染者が多いことにおどろいたのではないでしょうか?感染を防ぐには、ヘルペスウィルスを日常生活で極力寄せ付けないようにすることです。そして、免疫力を高める生活週間が最も大事になってきます。再発のリスクの高い唇ヘルペスですが、しっかりと予防し再発しないようにしていきましょう。

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