歯医者で麻酔をするときに確認したい5つのこと

masui
クレプラ編集部この記事の監修者

クレプラ編集部先生

内科, 外科, 歯科, 皮膚科

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歯医者で麻酔をすることになったけれど、少し不安に思うこともあるでしょう。普段の生活では耳にすることがあっても、実際自分に使うとなると不安ですよね。

今回は、歯医者で使う麻酔の種類と安全に使う方法、麻酔のリスクについて見ていきましょう。

1)歯医者で行う麻酔の種類

虫歯の治療等で使われる、最も一般的な麻酔が局所麻酔です。局所麻酔はその名の通り、局所に麻酔薬を作用 させて一時的に感覚を消失させる方法です。治療の痛みを軽減するために使用するため、局所麻酔は歯科治療 に必要不可欠な麻酔法です。 麻酔の効果は一般男性で2〜3時間程度ですので、すぐに通常の日常生活に戻る事ができます。麻酔の効 果が続く時間について詳しく知りたい方は、「歯医者で麻酔をしたときに効き目が続く時間と切れたときの対処法」を参考にしてください。

局所麻酔はさらに下記の3つの方法に分類されます。

1-1,一般的な歯科治療に使用する[局所麻酔法]

局所麻酔はその名の通り、局所に麻酔薬を作用させて一時的に感覚を消失させる方法です。治療の痛みを軽減するために使用するため、局所麻酔は歯科治療に必要不可欠な麻酔法です。局所麻酔はさらに下記の3つの方法に分類されます。

[表面麻酔法]

麻酔薬を歯茎に塗って表面の感覚を麻痺させる方法です。
歯自体を麻酔するためには次に述べるような浸潤麻酔や伝達麻酔といった注射が必要になるのですが、表面麻酔を行った後で注射をすると麻酔の注射の痛みが少なくなります。

歯医者さんでは、には口の中にガーゼやコットンロールを入れて、歯茎に塗った麻酔薬が流れないように唾液をブロックしつつ数分間作用させます。歯医者で「麻酔をしましょう」といわれたのに口の中に綿をたくさん入れられたら、「これは注射の痛みをとるための表面麻酔だ」と考えていただいて間違いありません。

その他に、歯科医によって使用するかどうかは変わりますが、歯石のクリーニングや乳歯の抜歯などにも用いられます。

[浸潤麻酔法]

痛みをとりたい部分の歯茎に麻酔薬を注射する麻酔です。
患部に直接針をさすため、多くの患者さんから嫌われている不人気度の高い処置です。

現在は前述したように、細くて切れの良い針を使用したり、麻酔薬の温度管理をしたりすることで、痛くない注射になっています。また、先に紹介した表面麻酔を用いたり、電動式注射器を使用したりすることで、痛くなくよく効く麻酔が行える麻酔です。

[伝達麻酔法]

下の奥歯は麻酔が比較的効きにくい場所です。そこの治療を行う場合には浸潤麻酔に加えて伝達麻酔という方法を用いることがあります。

脳から出た神経が下顎に向かう途中に麻酔薬を作用させることで、口唇や舌を含む広い範囲によく効く麻酔が得られるのです。麻酔効果が数時間続くので治療後の痛みが気にならなくなり、鎮痛薬の量を減らすことが出来るというメリットもあります。

歯医者さんが行う局所麻酔をするときに痛くない方法3つ

歯医者さんでは、特に痛みに弱い方向けに”無痛治療”として、以下の 3 つの方法を取り入れているクリニック もあります。痛みがない治療は、歯医者さんのホームページに“無痛治療”として表示されている事が多いで す。特に痛みに弱い方は”無痛治療”を取り入れている歯医者さんを選択されると安心です。

1,表面麻酔薬を塗る
麻酔をする際最も痛いのが患部に針を刺すときです。表面麻酔は針を刺す歯茎を塗り薬で麻酔をしておく方法です。歯茎を表面麻酔で麻酔しておき、その後に針を刺すため、痛みが少なくなります。

2,針のない注射器を使用する
針のない注射器を使用するのも、患部に針を刺す痛みを軽減でる方法の一つです。
多くの歯医者では、麻酔の針の太さは0.2mmを使用しています。最も細い針は0,18mmで、糖尿病の患者さんが自分でインスリンを打つ際使うものです。
歯医者ではその次に細いものを使って患部に麻酔の針を刺す痛みを軽減しています。

3,麻酔を温めて使用する
患部に針を刺したときに、麻酔薬を注入します。このときの痛みを軽減するために麻酔薬を温めておきます。
麻酔の液が体の温度より冷えていると、体に入った時に刺激を痛みとして感じることがあります。そのため麻酔の液は人肌に温めてあり、痛みを軽減するようにしています。

1-2,歯医者が怖いときに使用する[精神鎮静法]

「歯医者が怖くて受けられない」という患者さんに使用する方法が精神鎮静法と呼ばれる麻酔法です。

リラックス効果の高い麻酔薬を利用して、リラックスした状態で治療が受けられるので恐怖心や不安感が軽減します。また口の中に触れられると思わずえずいてしまう嘔吐反射の強い患者さんにも高い効果を発揮します。全身麻酔と異なり治療中も会話が可能で入院の必要もない安全性の高い方法ですが、歯を抜いたり神経をとったりするような強い痛みをとることはできません。そのため痛みを伴う処置を行う場合には必ず局所麻酔を併用します。

笑気ガスを用いる吸入鎮静法と、血管に鎮静薬を注入する静脈内鎮静法の2種類の方法が用いられています

[笑気鎮静法]

笑気鎮静法は、歯科治療への恐怖を和らげてくれる麻酔法で、笑気麻酔というガスを使用します。
このガスは、亜酸化窒素と酸素によって構成されていますので、きちんと濃度が管理されていれば、体に害はありません。また、鼻マスクから吸引しますので、とてもスムーズに体に取り込むことができます。

だいたい5分程度で心も体もリラックスした状態になり、笑気ガスが効いている間は、少し頭がぼんやりしますが、治療が終わり、鼻マスクを外してしまえば、すぐに元の状態に戻れます。

[静脈内鎮静法]

点滴で麻酔薬を腕の静脈に投与し麻酔を行う静脈内鎮静法という麻酔もあります。
静脈内鎮静法では、意識はあるけれどほとんど眠っているような状態になります。そのため治療時の不快な痛みや振動・音などがあまり気にならないため、快適に治療を受けることができます。

静脈内鎮静法は全身麻酔とは違って意識が完全になくなることはありませんので、通常の局所麻酔も併用します。
静脈内鎮静法を処置する場合は、麻酔の管理や治療費の負担が大きくなりますので、この麻酔を使用したい場合はまずは担当医に相談しましょう。

1-3,外科手術をするときに使用する[全身麻酔法]

外科手術が必要な矯正治療や大掛かりなインプラント手術、あるいは障害のある患者さんや治療に協力できないお子さんなど、歯科でも全身麻酔は広く用いられています。

麻酔を担当するのは歯科麻酔科医と呼ばれる専門の歯科医です。歯科麻酔科医は患者さんの全身状態を診察し、麻酔計画を立て、安全で快適な歯科治療が受けられるように細心の注意を払って麻酔中の全身状態を管理します。静脈内鎮静法と同様にあらかじめ診察や検査を済ませておけば、治療当日の朝来院し麻酔終了後は数時間休憩して帰宅できるので、患者さんにとっても家族にとっても負担の少ない方法です。

2)麻酔を安全にうけるために必ず確認したいこと

2-1,きちんと問診(服薬や過去の治療履歴など)を受ける

初めて歯医者にいった際に、問診票を記入したことはありませんか?質問事項がいくつか並んでいるのですが、
事故防止のため、病歴のほか、過去の歯科麻酔の経験とそのときのアレルギーの有無を必ず書くようにしましょう。特に、問診がなく、病歴のほか、過去の歯科麻酔の経験とそのときのアレルギーの有無で、不安な点がある場合は、きちんと事前に申し出るようにしてください。

2-2,麻酔の効果が効きづらい場合は伝える

歯医者で治療している際に、痛みを感じるなどをして麻酔が効いていないと感じたときは、すぐに先生に親告しましょう。麻酔の効き方は個人差や体調、普段の生活週間などによって異なりますので、麻酔が効いていない際ははっきりと伝えましょう。

麻酔が効きにくい4つの可能性

個人差がありますが、治療する部位や体質、体調、生活習慣など様々な要因によって効き目が変わります。
麻酔が効きにくくなる4つの可能性を見ていきましょう。

1,下の奥歯は、麻酔薬が到達しにくい
下の奥歯は分厚い骨に支えられているため、麻酔薬が浸透しにくく、麻酔が効きにくくなっています。そのため、歯ぐきや唇はしびれているのに歯を削ると痛いことがあります。
もし、麻酔を行った際に痛みや効いていないと感じた場合はすぐに歯科医に伝えてください。

2,歯茎が炎症していると効きにくい
痛みが強い時や、虫歯などを長く放置している場合は麻酔が効きにくい傾向があります。
虫歯で細菌が神経まで達しているときや、歯周病により急激に歯茎に炎症が起きたとき、歯根の先の膿の袋の中で強い炎症があるところは酸性になります。麻酔薬は、アルカリ性ですので、酸性の体に入ると、中性になってしまいます。中和されるために麻酔効果が十分に得られないこともあります。
そのような場合は、抗生物質を服用し炎症を抑えてから治療を行うと、麻酔の効果が発揮できます。

3,歯や歯茎に膿(ウミ)がたまっていると効きにくい
4-3でも触れますが、歯ぐきが腫れていたり膿がたまっていると麻酔薬の効果が薄れて効きにくくなります。

4,お酒を多量に飲むと効きにくい
お酒を多量に飲む人は、常にアルコールを分解しようと体内の中で酵素が待ち構えています。
この酵素が体に必要のない薬の解毒作用を活発にするため、麻酔薬も解毒され麻酔が効きにくくなります。
この酵素が働かないようにするためには週2日は休肝日を作ることが大切です。

2-3,「治療がとても怖い」人は怖いことを伝える

歯医者での治療が怖いと感じている人は、麻酔を受ける前にきちんと先生に伝えましょう。
麻酔を受けて、違和感を覚える場合があるのですが、麻酔注射による不快症状がアレルギーによるものではなく、実は心因性で、その正体が歯科治療恐怖症であることが多いのです。

治療時に恐怖心や痛みを与えなければ、通常の歯科麻酔で不快症状やアレルギー反応が起こることはまずありません。不安を取り除き、安全に麻酔を施し治療を行うために、事前に伝えましょう。

2-4,妊娠中は歯医者で麻酔をしてもよいのか

妊娠中に麻酔を行っても、ほとんど影響がありませんが、事前にきちんと担当医と相談してください。
また、妊娠中の虫歯や口内環境は、持続的な歯痛や感染源を放置するほうが問題と考えることがあります。妊娠する前に歯の治療をすませておくことが大切になります。

3)麻酔をしたあとにやらないほうがいいこと4つ

3-1,温度差の激しい食べ物を食べる

麻酔が効いている際には、痛みを感じないだけでなく、熱にも感じません。特に、感覚がないため熱いものでやけどをしても気づきません。麻酔が切れたあとになって、やけどの痛みが出てしまいます。

熱い食べ物や飲み物は避けるようにしてください。麻酔が効いている時に火傷をしてしまうことがよくありますので、麻酔が切れた後に食事をするようにしましょう。

3-2,歯で口内や舌を噛む

感覚がないため頬の内側や唇を強く咬んでしまうことがあります。
麻酔が切れた後のお食事をおすすめしますが、どうしてもというときは麻酔を打ってない反対側でゆっくり柔らかい物を食べるようにしましょう。

特に気をつけたのが小さい子供で、麻酔が効いているときに誤って唇をかんでしまい、大きく腫れてしまうことがあります。麻酔が効いていると唇を噛んでも痛くないため、何度も噛んでしまいます。麻酔が切れるまでの間、子供が唇を噛まないように見守ってあげてください。

万が一噛んでしまい、唇などが腫れてしまった場合には、痛みがあれば痛み止めを飲んでください。

3-3,麻酔した部分に触れない

麻酔が効いている時間は、しびれや普段と異なる感覚が口元に残ります。腫れていないか何度も頬を触ってみたり、まだ麻酔が効いているか唇を引っ張ったりたたいたりつねったりしてしまいがちです。

特に子供は、麻酔でしびれている部分を触ってしまいがちです。歯ぐきを手で触ると感染の原因になることがありますし、口内炎にもなりやすくなるため、できるだけ触れないようにしましょう。

3-4,入浴や激しい運動をして血行を良くする

麻酔をしたときに入浴や激しい運動をしないように言われたことはありませんか?麻酔というよりも、麻酔を使用した治療を指すのですが、入浴や激しい運動をして血の巡りが良くなり、血が止まらないことを避けるためです。なので、抜歯をした際には、歯医者に確認をとることをお勧めします。

4)歯医者で麻酔を使用する治療

歯医者で麻酔を使用するのは、どういった治療なのかについてみていきましょう。

4-1,神経が残っている歯の深い治療

治療前から痛みがある場合や、痛みがなくてもレントゲン写真を見て明らかに大きな虫歯になっている場合は麻酔をして歯を削ります。痛みがあるということは、まだ歯に神経がのこっているため、麻酔をして痛みを感じないようにしてから治療を行います。

4-2,抜歯をするとき

歯を抜く時は必ず麻酔をします。
ただし、生え替えのグラグラの乳歯は麻酔をせずに抜くこともあります。

4-3,歯の根の膿を出す

歯ぐきが腫れて膿が溜まっている時は、麻酔をして歯ぐきを切って膿を出します。歯の根幹部分に膿が溜まっていて、神経が残っている際も同様です。

4-4,歯茎を切除する

歯周病の治療や親知らずに歯ぐきがかぶって痛みがある場合など、歯ぐきを切る外科的な処置をする場合は麻酔をします。

4-5,インプラント

インプラント治療は、歯ぐきや骨を触るため必ず麻酔をします。

4-6,歯医者によって麻酔の使用を変える治療

小さな虫歯の治療
 少し削って詰める程度の虫歯治療の場合、麻酔をしないこともあります。

詰め物の装着
 神経がある歯は、型をとって作った詰め物をくっつける時に一時的にしみることがあります。麻酔をすると感覚がなくなり、詰め物の高さが合っているか分かりづらくなるため、麻酔をしないことの方が多いです。

歯石を取り除く際
 歯の根の部分についている歯石を取る場合、歯ぐきの中に器具を入れるため、痛みを感じやすくなります。我慢ができない場合は麻酔をして歯石を取ります。

5)歯医者で行う麻酔のリスク

歯医者で頻繁に使用する局所麻酔のリスクは、ないとは言えませんが、確率的にいえばすごく低いものなので安心と言われています。また、確率が低い中の症状が現れても、48時間以内に解決する一過性のものがほとんどです。

5-1,神経性ショック

歯科治療に対する不安・恐怖心、緊張などの精神的ストレスや痛み刺激により迷走神経が緊張して、顔面蒼白、嘔吐、冷や汗、意識障害、血圧低下、除脈などが現れます。
歯医者に対して治療が怖いなどの悩みがある方は、きちんと事前に担当医に確認してください。

5-2,過換気症候群

麻酔の際の緊張で息づかいが荒くなり、血液中の二酸化炭素分圧が低下することにより脳血管が収縮、脳血流が減少して意識消失が起ります。紙袋やビニール袋などを口に当て、吐いた息を再度吸うことで楽になります。

5-3,局所麻酔中毒

局所麻酔中毒は投与量に関係なく発現します。
一般的に局所麻酔中毒は過剰投与が原因となりますが、局所麻酔を血管内に誤注入した場合は、局所麻酔薬の血中濃度が急激に上昇するため、少量の麻酔薬でも発現することがあります。

5-4,アナフィラキシーショック

麻酔の偶発症で最も危険なものです。麻酔後に、悪心、悪寒、めまい、血圧低下、頻脈、顔面蒼白などが現れます。その場合、仰向けに骨盤取り頭を下にする体制をとり、酸素吸入を行います。
歯科医だけでは対処できないため、ただちに内科医師との連携が必要になります。

6)まとめ

歯科治療において、麻酔は使用頻度が高く、そのため患者さんは麻酔をするたびに怖い思いや痛い思いをされてきたと思います。まだまだ不安に思われる部分もあるかもしれませんが、しっかりと担当医と意思疎通をして治療することが大切になってきます。

もし麻酔がそれでも怖い場合は、麻酔や治療をしないためにも定期的な検診やクリーニングを受けましょう。

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