歯ぎしりの治療で使われる3種類の方法

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パートナーから歯ぎしりを指摘された・・・子供が歯ぎしりをしている・・・そんなことはありませんか?現代病とも言われている歯ぎしりは、ギリギリとした音が周りに不快感を与えるだけでなく、最大で900kgにも及ぶ食いしばる力で歯と歯茎を破壊し、顎や体全体にダメージを与えます。周囲の人に指摘されたとき以外にも、歯がしみる、朝起きると顎や体が疲れているという場合は、歯ぎしりを疑ってみてください。今回の記事では歯ぎしりに対して行う治療について解説します。

1.歯ぎしり治療は必要です!

歯ぎしりは基本的にストレスによって引き起こされるもので、現代日本人の70%以上が持っているとされる習慣です。
貧乏揺すりと同じような癖であり、ストレスの発散機能も持ちます。適度な歯ぎしりは、このストレス社会で生きる上で必要なものでもあるのですが、【過度な】歯ぎしりは、歯を削り、歯茎を壊し、頭痛や肩こりを起こします。歯ぎしりは虫歯や歯周病よりもずっと怖いものなのです。

1−1.悪影響を及ぼす歯ぎしりをチェックしよう

自覚症状として「歯ぎしり」があることに加え、下記のような症状がある場合の多くは治療が必要です。
・朝起きると口の周囲がこわばっている、顎が疲れている
・ヒビのある歯や擦れて欠けた歯がある
・口をつけた状態で歯がくっついている時がある
・無意識に歯を噛みしめる癖がある
・頬の内側に噛んだ跡や、舌に歯の跡がある
・肩こりや頭痛がひどい
・冷たいものがしみる
1つでも当てはまる場合は、過度な歯ぎしりになっている可能性が高いです。

1−2.子供の歯ぎしりは成長段階の場合がほとんど

ただし子供の歯ぎしりは基本的に問題ありません。顎の位置を決めるため、あるいは永久歯が生える場所を広げるために、子供は成長の1局面で歯ぎしりをする段階があります。基本的には自然に消えていくものなので気にする必要はありません。ただし小学校高学年になり生え変わりが終わった後にも続くようでしたら、注意が必要です。

2.歯ぎしりの3つの治療法

歯ぎしりの治療法は大きく3種類に別れます。
・【対症療法】まずは歯ぎしりの悪影響を抑える
・【原因療法】歯ぎしりを引き起こす筋肉の異常な緊張を治療する
・【原因療法】歯ぎしりの原因を歯ならびや骨格から改善する

歯ぎしりの治療では対症療法をしつつ、原因療法で原因を改善することが重要です。まずはマウスピースによる対症療法をして歯ぎしりの悪影響を抑え、その後歯科や口腔外科と相談して原因を突き止めた上で、薬による治療やかみ合わせの原因治療を行いましょう。

しかしながら歯ぎしりは、基本的に根治するものではありません。歯ぎしりにはストレス発散など良い面もあるので、悪い歯ぎしりを改善し、一生付き合っていけるようにするというのが治療の目的になります。

2-1.マウスピースで歯ぎしりの悪い影響を防ぐ

マウスピース
寝ている時にマウスピース(ナイトガード)を使用し、歯ぎしりを防ぐ最も一般的な方法です。歯が削れたり、割れたりするのを防ぎ、騒音を防ぎます。歯や顎の負担を減らし、詰め物が壊れるのも防止します。ただし対症療法ですので、歯ぎしりそのものを軽減する効果はありません。保険適用が可能で歯科で5000~6500円で作成が可能です。安価な市販品も多く売られていますが注意が必要です。

2−1−1マウスピースの選び方

マウスピースには市販品と歯科で作るマウスピースの2種類があります。歯科で作るマウスピースは保険適用されます。それぞれのメリットについては「歯ぎしりを防ぐ!マウスピースの4つの選択肢。」を確認しましょう。

2-2.薬をつかった治療で歯ぎしりの癖を弱める

薬を使用した歯ぎしり治療は3種類あるので、見ていきましょう。

2-2-1.ボトックス注射治療で筋肉の緊張を取り歯ぎしりを改善する

ボツリヌス菌がつくりだす毒素(ボツリヌストキシン)をあごの筋肉に注射して、麻痺させることで 異常な筋肉運動を和らげ、歯ぎしりを軽減する方法です。もともとはエラ取りの治療として美容外科で広く使用されていましたが、歯ぎしり治療に対しても最近使われるようになってきました。咬筋の緊張を取り小顔にする効果が、歯ぎしりにも効果があるのです。

ボトックス注射後数日から数週間で効果が整い、3~6ヶ月後まで歯ぎしりや食いしばりを軽減する効果が持続します。通常半年もすると効果はなくなりますが、そのまま1回で歯ぎしりが改善される人もいれば、数回の治療で有効期間が長くなり治療の必要がなくなる人もいます。
この方法は、注射なので経口薬の服用ができない人や、薬の多用によって効果が減退する恐れがありません。繰り返し注射を行うことで効果が上がるのがこの治療の特徴です。ボトックス注射については、美容外科で数千万の医療実績があり、副作用は軽度のアレルギー等で重篤なものはありません。一回の注射は保険適用外のため、3万円~5万円ほどです。

2-2-2.薬剤等で炎症や筋肉の緊張を抑え歯ぎしりを改善する

顎の異様な緊張を経口薬物によって緩和する方法です。経口摂取であるため、気軽かつ安価に治療が行えますが、副作用も多く、繰り返すことで体が慣れてしまい、効果が落ちていくことがあります。また、歯ぎしりに対して継続的に効果をもたらすには定期的な内服が必要になります。必ず医師による診断の元で摂取の判断を行うようにしましょう。
歯ぎしりに効果があるとされている経口薬物は、「非ステロイド系鎮痛消炎剤」「 筋弛緩剤」「他、降圧剤、ドーパミン系薬剤、精神安定剤」等といわれています。

2-2-3.漢方薬でストレスの原因を改善する

漢方では歯ぎしりは「肝」に関係があるとされています。
一般的な歯科治療ではありませんが、いくつか効果があるとされているものを紹介します。

抑肝散【第2類医薬品】抑肝散 350錠(Amazon参照)

抑肝散(よくかんさん)は小児の疳の虫(カンノムシ)つまりイライラに効くように450年以上前に処方されたもので、多くの歯科医院の漢方外来がこの漢方を歯ぎしり治療に用いています。2週間分で4000円程度です。

甘麦大棗湯【第2類医薬品】甘麦大棗湯 (Amazon参照)

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)は、甘草、小麦、大棗で構成され、甘味があるので小児でも服用し易い薬です。

また、漢方はエキス剤という粉薬で処方されるので、いつでも水だけで飲めるのですが、お湯の中に入れて元の薬のようにして飲むとさらに効果的だと言われています。

2-3.噛み合わせを治療して歯ぎしりの原因を改善!

上下の歯の噛み合わせの乱れが歯ぎしりを引き起こすことがあります。治療した歯に違和感がある方や、歯ならびが悪い人には噛み合わせの治療も歯ぎしり治療の選択肢の1つです。歯は、たとえ髪の毛一本でも検知出来るような非常に繊細な仕組みを持っています。歯科治療で歯を削ったり、被せ物をした時にその繊細な噛み合わせのバランスが崩れると、肩・首・腰など他の体の部位にストレスがかかり、歯ぎしりや食いしばりという症状を引き起こす原因となるのです。そのため、被せ物を削ったり、歯並びを矯正して噛み合わせ矯正を行うことで、歯ぎしりが改善することがあります。

ただし、近年では、噛み合わせと歯ぎしりの直接的な関係については否定的な意見も出ています。ですが噛み合わせの不具合は、大きなストレスになり、様々な不具合を誘発するので、治療することはとても重要です。

噛み合わせの不具合の原因は多岐にわたり、治療法も患者個人によって異なります。
また噛み合わせ治療は、顎の三次元的構造を修正することになるので、非常に高度な技術が求められます。
噛み合わせ治療を行う場合は、実績の多い歯医者にかかることや常にセカンドオピニオンを念頭においておくことが重要です。

費用は保険適用内で詰め物を削る程度なら5000円程度ですが、保険外で歯列矯正などをする場合は100万円以上になることもあります。

3.悪い歯ぎしりを治療せずに放置すると危険

ここまで紹介してきた歯ぎしりですが、放置すると大変危険な病気です。
歯ぎしりは、歯がすり減ったり歯が割れてしまったりと歯を破壊するほか、かみ合わせを狂わせたり顎関節症を引き起こしたりします。早期に対処と治療を行うようにしましょう。

4.まとめ

歯ぎしりの自覚症状が出る頃には、歯はかなりのダメージを受けています。早急にマウスピースを作り、まずはさらなる悪化を食い止めましょう。その上でボトックス治療や噛み合わせ治療など原因を改善する治療を行っていきましょう。
歯ぎしりを治すためには、その原因に基づいた治療を選ぶ必要があります。顎の筋肉が緊張している結果なのか、それとも噛みあわせが原因なのか。百者百様、人それぞれです。
歯ぎしりは根治することのない習慣ですし高い治療費を払ったからといって必ずしも歯ぎしりが治るわけではありません。
自身の症状と原因に合わせた治療方法を選択し、悪い歯ぎしりを良い歯ぎしりに変えていきましょう。

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